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昔、礼儀作法を教えて頂いたお煎茶の先生が、次のようなお話をされました。
「日本は明治以降、西洋文化に憧れて西洋家具を輸入ました。今ではどの家庭にもテーブル、椅子、ソファと言った家具があるでしょう。でもそれを使う時のマナーまで導入しなかったのよね。」 つまり、西洋風のテーブルセッティングや椅子の掛け方、室内でのソファの置き方などにもルールやマナーがあるということです。 煎茶道で通常「礼儀作法」と言うと、玄関の入り方、畳の歩き方、座り方、挨拶の仕方などなど、日本家屋での立ち居振る舞いを中心に教えます。しかし、昔の日本の家庭には、当然身につけるべき躾として、立ち居振る舞いがありました。ですから、特別に習いに行かずとも、私は母や祖母から厳しく躾けられて育ちました。特に食卓でのマナーは大事だと言うので、箸の持ち方を始めとして口の開け閉めまで煩く言われたものです。背中を伸ばしての正座はもとより、食事中のおしゃべりなどは許されませんでした。 私の子供の頃は、居間の中心に座卓が置かれていました。現代では多くの家庭でダイニングやリビングにテーブルと椅子が置かれています。ここが、通常暮らしの中心になっています。現代の日本は、建物ばかりではありません。暮らしにおいても和洋折衷が普通です。 ところで、私は日頃の食卓風景の中に、礼儀作法(マナー)の大部分が組み込まれていると考えています。 少し振り返ってみますと、朝を迎え、家族と顔を合わせたら「おはようございます」、テーブルに着き食事を始める時には「いただきます」と、挨拶を交わします。食べ終わったら、「ごちそうさまでした」と感謝の気持ちを伝えます。またテーブルの上では、お箸の持ち方やスプーン・フォークなどといったカトラリーの扱い方、それにもマナーがあります。食事をする時のテーブルの上の器のセッティング(並べ方)がありますが、和食と洋食でも違います。普段の家庭料理、そこにも常に何かしらのマナーがあります。このように、私達が何気なくルーティンのようにやっている暮らしの所作の中に、作法(マナー)があるのです。 お気づきでしたでしょうか? 私は「マナー」をコミュニケーションのツールの一つだと考えています。食事にお招きして、知性豊かなその方のお話の面白さとは裏腹に、食べ方の汚さに幻滅した事が何度かあります。 私はこのブログの中で、暮らしにおけるマナーを、出来るだけ写真も添えてお伝えしたいと思っています。「マナー」は難しいものではありません。「マナー」は一度身につけたら、その人の人となりとなって、自然と品格を上げるものです。 他にも、テーブルセンターやランチョンマットの選択の仕方、良い器選びのコツ、素敵なテーブルフラワーの生け方など、暮らしに取り入れると楽しい事がまだまだたくさんあります。このような事柄についても、ご紹介できたらと考えています。
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AuthorKosin(こうしん) Archives
October 2026
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